別わかれの手紙てがみを 握にぎりしめ
泣ないて駆かけ出だす 雪ゆきの中なか
津軽つがる 小泊こどまり 風港かぜみなと
沖おきのうねりに ただ立たち尽つくす
あなた・・・ あなた あなた
海うみに叫さけべど 帰かえらない・・・ 帰かえらない

遠とおくに霞かすんだ 防波堤灯台とうだいの
揺ゆれる灯あかりは 命火いのちびか
雲くもが渦巻うずまく日本海愛にほんかいあいの歳月つきひが波間なみまに消きえる
あなた・・・ あなた あなた
私わたしひとりじゃ 生いきられぬ・・・ 生いきられぬ

心こころが痛いたむわ 船泊ふなどまり
吹雪ふぶく桟橋さんばし 身みも凍こおる
津軽つがる 小泊こどまり 風港かぜみなと
吠ほえる荒怒濤あらなみ 涙なみだも枯かれて
あなた・・・ あなた あなた
せめて も一度いちど 抱だきしめて・・・ 抱だきしめて