「これでいいのだ」バカボンパパが言いった
読者どくしゃの俺達おれたち ただ腹抱はらかかえてた
「これでいいのだ」今いまでも言いわれたくて
読者どくしゃの俺達おれたち 誰だれかを探さがしてたんだ
街まちの噂うわさや 今日きょうのニュースで

「これでいいのだ」バカボンパパが言いった
あの頃日本ころにほんは 右肩みぎかたあがりだった
「これでいいのだ」今いまじゃ許ゆるされずに
出でる杭くいを打うち 誰だれかを見下みくだしたいんだ
軽かるい気持きもちで 憂うさ晴ばらしで

友ともよ 確たしかに時代じだいは 欲よくを絡からめ肥大ひだいした
それでできたキャンディーをしゃぶり甘あまい夢ゆめを見みた
気きがついたら わけわからず 意見いけんは「賛成さんせいのはんたーい!」

「これでいいのか?」悩なやめる人ひとが言いった
ある日ひを境さかいに その数増かずふえていった
「これでいいのか?」今いまじゃはやり文句もんく
その答こたえを出だす 誰だれかを待まちち望のぞんでんだ
なんとなしに なんとなしに

友ともよ 我われらは時代じだいに 泳およがされ続つづけてきた
流ながれるプール 浮うき輪わで同おなじところ回まわってた
目めが覚さめたら 右左みぎひだりも分わからず「賛成さんせいのはんたーい!」

「これでいいのだ」バカボンパパが言いった
読者どくしゃの俺達おれたち パパより歳としが上うえ
「これでいいのだ」そろそろ言いわなきゃ
読者どくしゃの俺達おれたち そろそろ言いわなきゃ

「これでいいのだ」「これでいいのだ」
「これでいいのだ」「これでいいのだ」
「いいのだ!」