月桃げっとうゆれて 花咲はなさけば
夏なつのたよりは 南風みなみかぜ
緑みどりは萌もえる うりずんの
ふるさとの夏なつ

月桃白げっとうしろい 花はなのかんざし
村むらのはずれの 石垣いしがきに
手てに取とる人ひとも 今いまはいない
ふるさとの夏なつ

摩文仁まぶにの丘おかの 祈いのりの歌うたに
夏なつの真昼まひるは 青あおい空そら
誓ちかいの言葉ことば 今いまも新あらたな
ふるさとの夏なつ

海うみはまぶしい キャンの岬みさきに
寄よせくる波なみは 変かわらねど
変かわるはてない 浮世うきよの情なさけ
ふるさとの夏なつ

六月二十三日待ろくがつにじゅうさんにちまたず
月桃げっとうの花はな 散ちりました
長ながい長ながい 煙けむりたなびく
ふるさとの夏なつ

香かおれよ香かおれ 月桃げっとうの花はな
永久とわに咲さく身みの 花心はなごころ
変かわらぬ命いのち 変かわらぬ心こころ
ふるさとの夏なつ