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よみがな
ひびれた砂漠さばくまち
生温なまあたたかあめが、銃弾じゅうだんようけていた。
かれ部屋へや片隅かたすみちいさないて、それをささやくようにうたったり、いのようさけんだり、
ときには粉々こなごなこわしたり。

あたらしいひかりむらがる人達ひとたちは、みんななくなった。
かれ一羽いちわはとように、ゆっくりとれからはなれてったんだ。
さびしくもなく、かなしくもない。
かれはいつだって自由じゆうで、気持きもいくらいに孤独こどくだった。

はるとおくでだれかのクラクションがファンファーレのようひびたび
言葉足ことばたらずの、ときには字余じあまりの不器用ぶきよううた
どこへてもく、この部屋へや天井てんじょうあたりをグルグルとまわっていた。
かれなつ魔法まほうかされてギターをかかえたままねむりのもりへとまよむ。

狂気きょうき紙一重かみひとえ勇気ゆうき

いつのか、この身体からだしてやって場所ばしょへとかえろう。
かれ言葉ことばでは説明出来せつめいできない気持きもちをポケットのなかにしまいむ。
そいつに名前なまえけて仲良なかよくやろうとめたんだ。

オレンジいろ太陽たいよう地平線ちへいせんれたとき
黄金おうごんかがやきが空間くうかんめて、やがてしずかにえてく。
やわららかいよるふたた世界せかいつつむ。
なんてうつくしいのだろう。

あめれた鳥達とりたちうみわたってく。