就職しゅうしょくしてから何なにかと忙いそがしい
ろくにギターも触さわれない
錆さび付ついた弦げんじゃどうせ 良よい音おとも出でない
言いい訳わけが増ふえていた

それでも僕ぼくには 何なにも無なかったから
終電しゅうでんの終おわった 駅前えきまえで一人ひとり 歌うたってんだ

誰だれもいない夜よるの観客席かんきゃくせきへと
目めがけて投なげ続つづけるメッセージ
いつかきっと 誰だれかの胸むねへ届とどくと
いつも そう言いい聞きかせて

ある夜買よるかってもらった缶かんコーヒー
ホームレスのおじさん
君きみの歌うたに少すこし救すくわれたよって
泣なきながら言いうから

こんな 僕ぼくでいいのなら 歌うたわせてよ
おじさんあなたに今いま 僕ぼくが歌うたう意味いみ 教おそわったんだ

諦あきらめかけてた夢ゆめの続つづき
もう一回挑いっかいいどんでみせるよ
いつかまた あなたの胸むねへ届とどくと
今日きょうも そう言いい聞きかせて

本当ほんとうに何なにも出来できないけれど
あなたに元気げんきを送おくるよ

誰だれもいない夜よるの観客席かんきゃくせきには
あなたを浮うかべて歌うたうメッセージ
いつかまた どこかで会あえた時ときは
缶かんコーヒーを飲のもうよ