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いま、なぜぼくは この位置いちあいせないのだろう

たとえば憧憬塔どうけいとう
あるいは焦燥線しょうそうせん

かなしみに隆起りゅうきした残像ざんぞう
くず指先ゆびさき
キーをたたいている モニタに対峙たいじして

まさにぼくんで えるとき
だれかに ぼくきついていたい

いたみを昇華しょうかした水蒸気すいじょうき 血液けつえきかす
いまなげいている かがみ凝視ぎょうしして

やはりいろはまるでつたわらなくて 彼方かなたえがいて

ぼく何故なぜここにいる
かみぼくして
いきめるのもまた
あさはかななぐさ

ここにかげもなく
ひたすら声張こえはげて
ああ、そうだ
きっとわかっていたこと
ぼくなか

いま何故僕なぜぼくはこの位置いちあいせないのだろう
歩行速度ほこうそくどをあげて 見据みすえた憧憬塔どうけいとう