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「君きみの名なは?」
始はじめてかけた言葉ことばを、君きみは沈黙ちんもくで返かえす。
百合色ゆりいろの肌はだは、どこまでも透明とうめいで、
絹きぬのような髪かみが、時ときおり風かぜに揺ゆれる。
「君きみの名なは?」
もう一度聞いちどきいた僕ぼくの手てを、突然強引とつぜんごういんに引ひっ張ぱり、
君きみは人気ひとけの無ない路地ろじを走はしり出だす。
奥おくへ、奥おくへ。
蒼あおい月つきが二人ふたりを見みている。
何なにかが、僕ぼくの耳みみで騒さわいでいる。
構かまわない。見みてみたい。
君自身きみじしんの奥おくを、奥おくを。
始はじめてかけた言葉ことばを、君きみは沈黙ちんもくで返かえす。
百合色ゆりいろの肌はだは、どこまでも透明とうめいで、
絹きぬのような髪かみが、時ときおり風かぜに揺ゆれる。
「君きみの名なは?」
もう一度聞いちどきいた僕ぼくの手てを、突然強引とつぜんごういんに引ひっ張ぱり、
君きみは人気ひとけの無ない路地ろじを走はしり出だす。
奥おくへ、奥おくへ。
蒼あおい月つきが二人ふたりを見みている。
何なにかが、僕ぼくの耳みみで騒さわいでいる。
構かまわない。見みてみたい。
君自身きみじしんの奥おくを、奥おくを。