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導火線どうかせん
シュっておとてて砂浜すなはま
そのほそつよひかり
一瞬いっしゅん静寂せいじゃくがふっとよるつつんで
かびがる あの横顔よこがお

かぜってひびいてくおと 火薬かやくにお
げられた花火はなびゆめかさ見上みあげていた

ふかしずめた記憶きおく
こうぎしてたあこが
青臭あおくさこいのうた

時間じかん残酷ざんこく
もう魔法まほうけてしまった
過去かこばかりが綺麗きれいえる
現在いまがまたらかっていく

リニューアルしたビルのなか
イミテーションのしげ
その永遠えいえんみどりをボーっとていた

世界中せかいじゅうこってる悲劇ひげきくらべたら
ぼくかかえたモヤモヤなど
戯言ざれごとだってよくっている

イミテーションのした
少年しょうねんねている
それをだれかのかおがほころぶ
情熱じょうねつゆめたないりぼてのいのちだとしても
こんなふうにだれかをそっといやせるなら

導火線どうかせんいま
シュっておとててむねとも
このたしかなつよひかり

無機質むきしつなそのビルのなか
イミテーションのしげ
なにかの役割やくわりってそこにある
イミテーションの
イミテーションの
りぼてのいのちでもひといやせるなら
本物ほんものじゃなくてもきみいやせるなら