君きみは甘あまい匂においにつられてやって来きた。
覚おぼえたての言葉ことばで挨拶あいさつを交かわす。
東ひがしの空そらでは、宵よいに月つきが満みちる。

純白じゅんぱくのドレスには沢山たくさんの返かえり血ち。
響ひびき渡わたる拍手はくしゅとカーテンコール。今いまも。
傀儡かいらいの指揮者しきしゃは宵よいの月つきに問とうた。
その美うつくしさの謎なぞを解明かいめいする為ために。

台本だいほんを燃もやし尽つくした灰はいを被かぶって、嘲笑ちょうしょうは歓声かんせいに変かわっていく。

寄より添そった二人ふたりは宵よいの月つきに誓ちかう。
「あのスポットライトは、私達わたしたちだけのもの!」