ああ、夜よるは明あけて ユラユラ歩ほを合あわせ
近ちかづくのは 14、15、16の少女しょうじょの屍しかばねだ
さあ銃じゅうをかまえろ 銃爪ひきがねを

髪かみの毛けも指ゆびも 思おもい出でも骨ほねも
くだけよもう一度闇いちどやみに帰かえしてやれ
恋人見こいびとみつけても心凍こころこおらせろ 目めを伏ふせるな

あのね、あたしたち好すきな人ひとに もう一度会いちどあうため歩あるいただけよ

ホラ いつものように ホラ 町まちへ逃にがすな
うちまくれ死者ししゃに哀かなしみはないから
うちまくれ罪つみの意識いしきはひとときだ 気きの迷まよいさ

あのね、あたしたち好すきな人ひとの 肌はだに触ふれるため歩あるいただけよ

その深ふかい哀かなしみからのがれるために 少年しょうねんは部隊ぶたいに志願しがんした
おそらく神かみの気きまぐれで あの世よから蘇よみがえった14歳さいから16歳さいまでの少女しょうじょたち
歩あるき回まわる屍しかばねを 鋼鉄こうてつの銃弾じゅうだんで もう一度闇いちどやみに帰かえし 始末しまつするために。
部隊ぶたいの規律きりつは厳きびしく 右向みぎむけ右みぎ ! 僅わずかな心こころのゆらめきも 許ゆるされなかった
少年しょうねんにはかえってそれが心地良ここちよかった このまま何なにも考かんがえず
ただ 少女達しょうじょたちを始末しまつしてさえいれば それで 俺おれの一生いっしょうはOKだ
もう 誰だれも失うしなうこともない、、、
それはとても楽らくな事ことだから きっと楽らくな生いき方かただから

、、、ある日ひ、少年しょうねんは屍しかばねの中なかに恋人こいびとを見みつける

あのね、あたしたち好すきな人ひとに もう一度会いちどあうため歩あるいただけよ
でもね、許ゆるされないのならば どうぞ、メチャクチャにして欲ほしいな
だって あたしは好すきな人ひとが 血ちまみれだって抱だいてあげるワ
だって あたしの好すきな人ひとは 血ちまみれだって抱だいてくれるワ

髪かみの毛けも指ゆびも 思おもい出でも骨ほねも