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よみがな
ふゆ吐息といきれかけたそら
ひとふたつと つめたくけてく
見慣みなれたはずの 信号しんごうあか
やけににじんで 綺麗きれいえた

ガラスのこう かたらう恋人こいびと
カメラまえ れたメロディ
まちおおきな客船きゃくせんのように
ひといきをさせる

世界せかいはいつでもうごいてくけれど
時間じかんはいつでもまらないけれど
いまはそっとして
まちめぐらせておくれよ

ならぶビルから 湯気ゆげほし
ネオンがえが音符おんぷおどってる

まち秘密ひみつかくのように
ぼくせトリコにする

世界せかい灰色はいいろまってくけれど
かなしみはいつも渦巻うずまいてるけど
いまはそっとしてまちめぐらせておくれよ

だれもいないフロアーにエスカレーターにってりた
まるで子供こどもころきだった絵本えほんみたいな世界せかい出会であった
このなか自分一人じぶんひとりのこされているはなしだった
すべてをあそんだあとはじめて孤独こどくったかれ
ゆめ気付きづ

あまとお記憶きおくとも
まちあかりと
ひとのざわめき
つつましくともしてくれ