ねぇ 蛍ほたるが舞まい まるで夜空よぞら ここまで降おりてきたみたいだ
近ちかづいてく 笛ふえの音色ねいろ 駆かけてゆく子供こどもたち

ああ 路地ろじを曲まがって 人ひとごみをゆく
浴衣ゆかたの模様もようが 咲さき乱みだれてく
わた飴あめの白しろに 金魚きんぎょの赤あか
夏なつは 今いまここにあって

君きみの夏なつはどこ?探さがしてしまうよ
滲にじんだ灯あかりを かき分わけて歩あるく
髪型一かみがたひとつで 君きみじゃないかって
足あしを止とめて また違ちがって わかってるのに

ねぇ 願ねがい事ごとを叶かなえたくて 星ほしをずっと見上みあげているけど
流ながれ星ぼしは 瞬まばたきした時ときにだけ流ながれてく

ああ 覚おぼえてるかな 夕立ゆうだちにあい
雨宿あまやどりしてた 軒先のきさきの下した
いつまでもずっと 二人ふたりでいたい
君きみは笑わらってくれた

君きみの夏なつはどこ?また明日あしたねって
最後さいごの言葉ことばが あまりに軽かるくて
認みとめたくなくて この世よのどこにも
訪おとずれはしない 夏なつを待まち続つづけてる

君きみの夏なつはまだ 変かわらぬ暑あつさで
あの日ひを跨またがず 僕ぼくの中なかにある
明あかりが途切とぎれた 祭まつりの端はしっこ
もう振ふり返かえず ゆこう 今年ことしの夏なつを