濡ぬれたリンゴの花散はなちる 心こころの底そこ
深ふかく静しずかな闇やみに 包つつまれてる
君きみがまだ笑わらってた日ひに
この指ゆびで押おしたシャッター
眩まぶしそうな微笑ほほえみに隠かくしてた
苦くるしみに気付きづけなくて

誰だれよりも側そばにいたのに 聞きこえなかった声こえが
掌てのひらの上うえで聞きこえる 写真日和しゃしんびよりの春はるに

「またね」「今度こんどね」「いつでも行いけるから」と
先さきに延のばしたまんまの あの約束やくそく
季節外きせつはずれの海うみに一人ひとり 想おもい出での無ないこの景色けしき
君きみと見みる為ために いつも別べつの道みち 遠回とおまわりし続つづけてた

波音なみおとが僕ぼくの手てを引ひく 濡ぬれた砂地すなちの上うえを
どこまでも続つづく足跡あしあと 見みえない君きみを探さがし

大好だいすきなリンゴの花はなが 波打なみうち際ぎわに一ひとつ
「今度こんどね」と 果はたせなかったはずの約束やくそく
「いつまでも側そばにいるね」と 懐なつかしいあの声こえが
掌てのひらの上うえで聞きこえる もう一度いちど 君きみに会あいたい

もう一度いちど

もう一度いちど