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[ああ] 夕凪ゆうなぎなかで、ゆっくりおどるボルカ。
あの蝋燭ろうそくともして あなたがかえるのをっている。
まだ波打なみうぎわで、ゆっくりあそぶボルカ。
ばたいてもべないから、あかつきそらうたっていよう。

きみはいつだってそのにごらせ、なべなかをかきぜていた。
たのんでないのに季節きせつわって、かんがごとはもうわすれちゃった。

このうみこうがわなにがあるのか。
ちいさな身体からだはしからはしまでを
つないで、アンテナにして、かんじたい。

[ああ] 夕闇ゆうやみなかで、ひっそりうたうボルカ。
あの蝋燭ろうそくちても あなたがかえるのをっている。

えきった身体からだは、 ひがしかぜさらされて、
かなしみ、ねたみ、いきどおり、
よろこび、いとしみ、すべてひとつになる。

[ああ] 夕凪ゆうなぎなかで、ゆっくりおどるボルカ。
あの蝋燭ろうそくともして、あなたがかえるのをっている。
さあ、はねひろげて、おおきなこえで。ボルカ。
べなくてもめやしないよ。あかつきそらうたっていよう、
あなたがかえるまでは。