潮風しおかぜの バイパスを 染そめる夕陽ゆうひ
突然とつぜんに カーラジオ 止とめてあなた

他ほかに好すきな娘こが できたと告つげたの 瞳ひとみ 翳かげらせて

私わたしいま 何なにを言いえば いいのでしょう
黄昏たそがれは 足早あしばやに 胸むねに降おりて

渚なぎさで手てを振ふる あの日ひの幻まぼろし 想おもい出でが走はしる

ふたりは やがて並ならんで 歩あるくと 信しんじていたの
時間じかんの岸きしに佇たたずみ
あなたを待まった季節きせつ
泣なかないように 目めを閉とじた

潮騒しおさいが 引ひいてゆく サイド・シート
アクセルと 横顔よこがおに よぎる痛いたみ

君きみをさらえない 僕ぼくがもどかしい 静しずかにつぶやく

はじめて あなたの嘆なげき ごめんね 気きが付つかなくて
壊こわれやすい愛あいこそ
受うけ止とめられなかった
あなたのために 目めを伏ふせた

どうして 愛あいはゆらめき 答こたえを 謎なぞに隠かくすの
どんな哀かなしみよりも
あなたを失うしなう今いま
せつなさの海うみ 広ひろがるの