イヤフォンの中なかで彼女かのじょは小ちいさな心こころの声こえを並ならべて繋つないだ
それを卑下ひげして嘲あざけるもいいさ 敗者はいしゃの弁べんと喚わめくのもいいだろう

鳴ならしたフィードバックは消きえてしまった
それでも闇やみの中なか 手探てさぐりで泳およぎだす

さあ舵かじを取とれよ 鈍にぶく光ひかる東京とうきょうの街まち
涙なみだの跡あとを取とり繕つくろう間まも無ないままこの波なみに突つっ込こんで

一遍いっぺんの儚はかない叙情詩じょじょうしのように生いきてみたいと願ねがった事こともある

流ながされた身体からだをせき止とめた声こえ
冷ひえた感覚かんかくにもう慣なれてしまったのだ

さあ時ときは来きたよ 今いまも僕ぼくは東京とうきょうの街まち
あてど無なくとも 日々ひびは進すすみ続つづいていく 疲つかれては止とまる

ひっそりと溜ため息いきが空そらに溶とけるのを見みていた

さあ舵かじを取とれよ 鈍にぶく光ひかる東京とうきょうの街まち
涙なみだの跡あとを取とり繕つくろう暇ひまは無ないよ

理由りゆうは無なくとも僕ぼくら笑わらい合あうだろう
答こたえは無なくともそれなりに行いけるだろう
この街まちも悪わるくないな