文字サイズ
よみがな
駆かけ出だしたはいいが
靴音くつおとが跳はね返かえり突つき刺ささる
月曜げつようの太陽たいように静寂せいじゃくが燃もえて姦かしましい

花はなには風かぜが
風かぜには雲くもが
揶揄からかう様ように戯たわむれる

誰だれか私わたしを知しらないか?
誰だれか私わたしを知しらないか!

六月ろくがつの囁ささやきが
狂くるおしい午後ごごには

屋根やねには雨あめが
時計とけいの音おとが
震ふるえて饐すえて
血ちを吐はく様ようだ

誰だれか私わたしを知しらないか?
誰だれか私わたしを知しらないか!

(この静しずけさに耐たえかねて嗚咽おえつを漏もらしているのは誰だれだ!)

誰だれか私わたしを知しらないか?
誰だれか私わたしを知しらないか!

哀あわれ明日知あすしらずの灰色はいいろの魂たましいよ