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疾風はやてごと
むね
須臾しゅゆおもあつ
わがこころにはあおおおかみ
無疵むきずのままなが

まよまど彷徨さまよって
意味いみさぬ咆吼ほうこう
やまそら谺越こだまこ
何処どことど絶唱ぜっしょう

みちたおれてなどない
らばるほこいだとき
どぶ泥水映どろみずはえる若月じゃくげつ
やさしきはる何故見なぜみせる

だれかの孤独こどく
ひとときまじわれば
すくいのかげだけばす
ぼくらがたいのはそのさきでも
ここははるかな真紅しんく戦場せんじょう

流浪るろうたみ
さき
あくはなくら
わがたましいあおあらし
事無ことなつづ

あせあえいずって
らんと煩悩ぼんのう
きつもどりつ獣路けものみち
いつてるや葛藤かっとう

まれながらにっていたのか
あいというのぬくもりかな
あんもとめた垂乳根たらちねはは
貴女あなたあたえし日々ひびなか

ちかづきとおざかり
くのはまぼろし
このうでには諸刃もろはつるぎ
だれかとちがたしかめ
このまれちたということ

俘囚ふしゅうなれ
きばけても
えぬてきはいずこ
わがこころにはあおおおかみ
ねむらぬよるいく

かれし晴天せいてん
紫黒しこく渾沌こんとん
奇跡きせきのような夕映ゆうばえを
まとわれみどろ

疾風はやてごと
むね
須臾しゅゆおもふか
わがこころにはあおおおかみ
涙無なみだなきずみて

流浪るろうたみ
さき
あくはなくら
わがたましいあおあらし
事無ことなつづ

まよまど彷徨さまよって
意味いみさぬ咆吼ほうこう
やまそら谺越こだまこ
いつかとど絶唱ぜっしょう

嵐逝あらしゆ夕映ゆうば
まとわれみどろ