千年せんねんたったら目覚めざめましょう
もう一度いちどあなたに出逢であえるのなら
永ながく愁つらい夢ゆめを見みても
今いまはひとり眠ねむりつづけましょう

離はなれてしまった恋人こいびとたちの
涙なみだのような碧あおい湖みずうみで
夏なつに輝かがやいた木漏こもれ日びの光ひかり
ああ 枯かれ葉はと変かわり果はてたわ

あなたの名なを囁ささやくから
どうかあの日ひを呼よび戻もどして

あれから私わたしは生いきてないの
心こころが壊こわれてしまったままで
別わかれの刻とき 捧ささげた薔薇ばらが
今いまも胸むねに 哀かなしく薫かおるのよ

あなたが愛あいした青あおい鳥とりたちも
風かぜに凍こごえ歌うたを失なくしたわ
僕ぼくを忘わすれてと辛つらそうに言いった
ねえ あなたを憎にくめたらいい

あふれていた二人ふたりの夢ゆめ
森もりの彼方かなたへ消きえていった

あれから私わたしは生いきてないの
心こころが壊こわれてしまったままで
月つきの針はりで胸むねを刺さされて
雪ゆきに埋うもれ瞳ひとみを閉とじましょう

千年せんねんたったら目覚めざめましょう
もう一度いちどあなたに出逢であえるのなら
永ながく愁つらい夢ゆめを見みても
今いまはひとり眠ねむりつづけましょう