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【ロシア人豪商:Алэксэй Романович Зволинский】

あからめく暖炉ペチカ うちにもあったのに
かなしいけれど やすべき まきがなかった
弟達おとうとたちはいつも 機敏に動ちょこまかうごいてた
はらるけど じっとしてたら こおっちまうから

運命うんめいおくもの 不幸ふこうめた 入れ子人形マトリョーシカ
けても けても かなしみばかり

しろひらめく大河ボルガ かぜいて
はし馬車よトロイカ うちとおいか 空駈そらかけろ
妹達いもうとたちもいつも はらかせてた
頑張がんば末妹よカチューシャ ぎんのお注射ちゅうしゃ きっとくなるさ

人生じんせいおくもの 不条理詰ふじょうりつめた 入れ子人形マトリョーシカ
けても けても くるしみばかり

せる少女しょうじょ治療費ちりょうひまずしい家計かけいがり
父親パパとおくの炭坑たんこういわくずれて下敷したじきに
のぼりはけわしき坂道さかみちころがりちるはまさ刹那せつな

せる少女しょうじょ葬列そうれつあいした二人ふたりかげはなく
母親ママ娼婦しょうふ格好かっこう無理むりたたって旅立たびだてり
どんなにけわしき坂道さかみちころがりちればまさ刹那せつな

ってもってもすなばかり どれだけってもみゃくがない
拝金野郎はいきんやろう妄想もうそう無駄むだ努力どりょく他者ひと
それでも あなたあきらめないわ

ってはっては砂埃すなぼこり どれだけってもりがない
成金野郎なりきんやろう道楽どうらく馬鹿ばかおとこ学者ひとわら
それでも わたしいてゆくわ

まばゆかがや黄金おうごん世界中せかいじゅうとどろ名声めえせえ
貴方あなたしいわけじゃない えるような ゆめたいだけ

運命ミラのぞむのは 喜劇きげき悲劇ひげき
いまもう一度いちど神話しんわ】を 歴史れきし舞台ぶたいたせたい……

まずしい一家いっかはなばなわたし商家しょうか丁稚奉公でっちぼうこう
不細工ぶさいくかおだといじめられたけど だれよりも必死ひっしはたらいた
わたし(貴方あなた)をささえたのは家族かぞく存在そんざいはは形見かたみとなった一冊いっさつの【叙事詩ほん

――“運命うんめい残酷ざんこくだ されど彼女かのじょおそれるな
女神ミラたたかわぬもの微笑ほほえむことなど けっしてないのだから”――

人生じんせいおくもの 不条理詰ふじょうりつめた 入れ子人形マトリョーシカ
それでもわたし(あなた)はるだろう(でしょう) そこにあながあるかぎり……