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よみがな
後の世に楽園と謳われる
詩情溢れるアルカディアの山々

暮れ泥む秋の日の憧憬――
其れは...未だ世界の悪意を識らぬ幼子の戯れ...

――そして...縦糸は紡がれ...
運命の歯車は再び...静かに廻り始める……

二度にどかえらざる あわ少年しょうねん日々ひび
そらかけとり何処どこまでも べるとしんじてた

やがてかえあわ少女しょうじょ日々ひび
みずうつつき何時いつれるとしんじてた

まれたときから 一緒いっしょだった
二人ふたり何時いつ一緒いっしょだった
えず 一緒いっしょだった


やさしいちちうつくしいはは
そんな日々ひび何時いつまでも つづいてゆくとしんじてた

運命ミラあながもの運命かのじょれるもの
嗚呼ああ...運命かみあやめるもの運命さだめささげられるもの

野山のやまめぐった ながれる雲追くもおいかけて
夕暮ゆうぐれにただよにおいに 二人ふたり家路いえじきそった……

狡猾な蠍の影...

廻り始めた歯車は誰にも止められない……