【暗誦詩人:Μιλοｓと其の弟子】

少年しょうねんの今いまは旅たびの空そら 賢人けんじんの詩うたも上うわの空そら
幾年いくねんも仰あおぐ高たかき空そら 老人ろうじんは嗤わらう蒼あおき空そら

少女しょうじょを尋たずね幾千里いくせんり 海原渡うなばらわたり征ゆく海里かいり
彼女かのじょを捜さがす侭山里ままさんり 高原臨たかはらのぞむ彼かの郷里きょうり

天そらの隨まにまに 咲さける星屑ほしくず
運命かぜに惑まどう一片ひとひら 寄より添そう双星ふたぼし

嗚於おお...故郷よアルカディア 還かえらざる夢ゆめ 倖しあわせだった 季節達きせつたちよ
幼おさなき日々ひびの 残照ざんしょうが尚なお 未いまだ眩まばゆく 胸むねを刺さす

二ふたつ並ならんだ 野晒のざらしの墓標ぼひょう
朽くちた花飾はなかざり 葬ほおむったのは誰だれぞ?

青年せいねんは今いまも旅たびの空そら 詩人しじんの島しまは遠とおき空そら
聖女せいじょを尋たずね復千里またせんり 恩人おんじんと別わかれ復海里またかいり