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――自由か死か...
歴史に刻むのは彼等が生きた戦いの証

あの少年しょうねんには そらとりなによりも自由じゆうえた
嵐女神シエラ気紛きまぐれで すべもなくちるというのもらずに

彼は何処に征くのだろうか?

ヤァ 息仔ョネクロス うしなゥコトノ がたいたミニモ モゥレタカィ?

何もないのだ 希望など遺されていないのだ もう私(オ前)には……
生命せいとは うしなわれるもの……

あの日の少年――
運命に翻弄され続けし者――
黒き剣を取った彼の復讐劇が始まる

月日流つきひながれても かえ愚行ぐこう
血汐流ちしおながしても められぬ不幸ふこう

何処へ 何処へ 何処へ向かって行くのかしら?
何故に 何故に 何故に行かなければならないのかしら?

平等びょうどうなんて幻想げんそう 死以外しいがい約束やくそくなど わせはしない

人間ひとみな 運命うんめいかなしい奴隷どれいだというのに
その奴隷どれい奴隷どれいうなど わらえぬ喜劇きげき

あきらめるな あらがうのさ 無力むりょく奴隷どれいいやだろ?
つるぎ勇気ゆうきがあるなら わたしともるがいい

――自由か死か...

縦糸は紡がれ――
時代は廻る 紫眼の狼と呼ばれし男
各地の奴隷達を率いて 異民族が統べる鉄器の国へと奔った

神が持つ永遠に比ぶれば 人間は刹那
冥闇は世界を侵し 英雄達は流る星へと消えて逝く

傀儡と化した王 かつての勇者を射た星屑の矢
其の射手を刺したのは蠍の毒針 其の蠍を屠ったのは雷の獅子
死せる英雄達の戦いは未だ終わりを告げず――

東方より来る足音 運命に導かれ やがて二匹の獣は出逢うだろう……