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よみがな
廃屋はいおくにわすみ
める薔薇ばら一株ひとかぶ
においの亡霊ぼうれいたちが
ぎし日々ひびます

あのひとらす言葉ことば
ひとつひとつに むね
けがらぬ 少女しょうじょのように
すべてをしんじた

やがてすべき その葉陰はかげ
こい亡骸なきがらもれて
なべて つちなか

いまそっとゆびれる
みしもなお あかとげ
わがうれいたましむ
気高けだか最後さいごあらが

わすられしおんなにも
あざらかにゆめいとな
にじごと

やがてちゆく その葉陰はかげ
面影おもかげだけが仄揺ほのゆれて
なべて やみなか

いつまでもむねおく
める薔薇ばら一片ひとひら
においの亡霊ぼうれいたちが
おもいてかお

あまあま
かなしみを
いろどるため