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はじめてのキスはなみだあじがした
まるでドラマみたいなこい
見計みはからったように発車はっしゃのベルがった

つめたいふゆかぜほおをかすめる
いたいき両手りょうてをこすった
まちはイルミネーション 魔法まほうをかけたみたい
はだか街路樹がいろじゅ キラキラ

どうしてもえなかった
この気持きもさえつけた
まえからめていたことだから
これでいいの かないから

ありがとう サヨナラ
せつない片想かたおも
あしめたらおもしてしまう
だから ありがとう サヨナラ
いたりしないから

そうおもった途端とたんにふわり
りてくるゆき
れたらけてえた

えきへとつづ大通おおどお
ってる二人ふたり たのしそう
「ほら初雪はつゆき!」
キミとあんなふうになりたくて
はじめてつくった 手編てあみのマフラー

どうしたらわたせたんだろう
意気地いくじなし こわかっただけ
おもになるなら
このままでかまわないって
それは本当ほんとうなの?

ありがとう サヨナラ
いつかこんなときてしまうこと
わかってたはずだわ なのに
ありがとう サヨナラ?
からだふるえてる
もうすぐ列車れっしゃるのに
それはいまになって
わたしくるしめる

つながりたい
どれほどねがっただろう
このからっぽ
ねえ サヨナラってこういうこと?

かなくちゃ そんなのわかってる
キミがやさしいことってる
だから 「……このはなしてよ」
出会であえてかった
キミが

ありがとう サヨナラ
一言ひとことえない
いまだけでいい わたし勇気ゆうき
「あのね──」
いかけたくちびる キミとの距離きょり0ゼロ

……いまだけはいていいよね
もう言葉ことばはいらない
ねがい ぎゅっとしていて

来年らいねん今頃いまごろには
どんなわたしがいて
どんなキミがいるのかな