白濁はくだくの闇やみを裂さき
極彩ごくさいに濡ぬれる私わたしの傷きずを
抉えぐるとき君きみの指ゆびは
ぬくもりの冷つめたさを知しるだろう

泥どろのなかに咲さいた花はなを
踏ふむ足跡あしあとにさえも
縋すがりつきたいくらい
寂さみしい心こころ わかる?

太陽たいようの揺籠ゆりかごは
私わたしたちの目めを眩くらませつづけ
破やぶれそうな月光つきの皮膜まくに
籠こもることを安やすらぎとしたけど

火炙ひあぶりの炎ほのおが常つねに
皮膚ひふの上うえで踊おどっている
生うまれただけで罪つみを負おったように

さあ唾つばを吐はいて罵ののしるがいいわ
汚よごされた顔かおでさえ
微笑ほほえむこの私わたしを
愚おろかだと云いって嗤わらって欲ほしいの
畏おそれなど何なにもない
メシアの王おうのように

溺おぼれてゆく手首てくびを掴つかんで
唱となえて 悔くい改あらためよと

皹割ひびわれた鏡かがみほど
多おおくの燦きらめき鏤ちりばめ纏まとう
真実しんじつの醜みにくさは
もう暴あばかれる前まえにわかってる

なのに恋こいというものだけは
真まっ直すぐ届とどけたいと願ねがうけど
純粋じゅんすいなのは奈落向ならくむかう方ほうよ

さあ声こえを出だして絶叫ぜっきょうすればいいわ
その瞬間しゅんかんに世界せかいが
終おわってくかのように
綺麗きれいだと云いって最後さいごだと伝つたえて
崩くずれ落おちる私わたしを
君きみの肉体みで葬ほうむって

ふたりの死しに舞まい散ちる
天使てんしの翼つばさの灰はいいろの骨ほね

さあ唾つばを吐はいて罵ののしるがいいわ
汚よごされた顔かおでさえ
微笑ほほえむこの私わたしを
さあ声こえを上あげて絶叫ぜっきょうすればいいわ
この瞬間しゅんかんに世界せかいが
再生さいせいされてくように

沈しずんでゆく足首掴あしくびつかんで
教おしえて 光ひかりを見みよと