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一片一文灰散ひとひらひとぶみはいちごと
薄霞うすがすみ ときもる
こぼれるからだはああ何処どこ
ちゆくのでしょう

うごめわたし不浄ふじょうゆび
どく絲吐いとはいて女郎蜘蛛じょろうぐも
しばられた過去かこ亡霊ぼうれい
人肌ひとはだくく

綺麗事きれいごとほどおわらぐさ
おもてえてわたりませ
本当ほんとうわるいおひと
あらしゃりますか

おろこいしや 痴人ちじんあい
なさもつ
ちては外道げどう すがれど地獄じごく
のぼる蜘蛛くもいと

如夜叉燃にょやしゃもしませ こい恨道うらみち
かえせぬのならば
覚悟かくごはらはいざ
さやひらひら段平翳だんびらかざして

刺青しせいかお墨染すみぞめのさくら
うるしやみへとかくしつつ
はるかに あいするいたみなら
くしたでしょう

見上みあげるよいには裸木はだかぎほね
きれどおんな月髑髏つきどくろ
白珠しらたま下腹満かふくみちるたび
まれづる

朝日あさひらぬ赤子あかごのように
血肉包ちにくつつまれねむりませ
本当ほんとう可哀かわいいおひと
あらしゃりますね

いのちいとしや さい河原かわら
石積いしづあそあわ
とおるは百鬼ひゃっき ぜる鬼灯ほおずき
ころもなくはりやま

女夜叉抱にょやしゃだきませ 懺悔野ざんげのざらし
二度にどかえらせまいと
うらな吉凶きっきょう
つめはらはら花弁数はなびらかぞえて

こわいおひと
あらしゃりますか

いのちしかろ のど
ただれるじょうにが
すればほとけ かれて般若はんにゃ
くずれゆくほどうるわしや

女夜叉抱にょやしゃだきませ ゆめかよ
二度にどもどれぬように
した足首あしくび
ゆきはらはら六花りっかもれて

おろこいしや 痴人ちじんあい
なさもつ
ちては外道げどう すがれど地獄じごく
のぼる蜘蛛くもいと

如夜叉燃にょやしゃもしませ こい恨道うらみち
かえせぬのならば
覚悟かくごはらはいざ
さやひらひら段平翳だんびらかざして