雨あめの中なかでレディバグを見みていた
何なにかをずっと忘わすれようとしている

アスファルトに映うつる歪いびつな影かげを
洗あらい流ながして 水玉みずたまの雫しずく

羽はねを濡ぬらし爪先つめさきを伸のばして
雨上あめあがりの虹にじを待まっていた
飛とべるかな

淡あわい望のぞみの果はてに
目蓋まぶたを焦こがしてく
静しずかに零こぼれて雨あめに混まじる雫しずく

風かぜの中なかでレディバグは震ふるえた
何処どこへ行ゆこうと構かまわないふりして

円えんを描えがいた爪先つめさきは彷徨さまよい
雨上あめあがりの虹にじを待まっていた
飛とべるかな

淡あわい望のぞみの果はてに
目蓋まぶたを焦こがしてく
静しずかに零こぼれて雨あめに混まじる雫しずく

羽はねを鳴ならし指先ゆびさきへ急いそいで
雨上あめあがりの空そらが待まっていた
飛とべるかな

青あおい空仰そらあおぐ陽ひは
目蓋まぶたを焦こがしてく
静しずかに動うごき出だした
深緑しんりょくのざわめき
淡あわい望のぞみをかけて
歩あるき出だした旅路たびじを
見送みおくる羽はねの合図あいず
過すぎゆく雲くもと水玉みずたまの雫しずくは
虹色にじいろに溶とけた