肩かたを抱だいて あなたの胸むねに顔かおをうずめた
いつもよりも 早はやい夕暮ゆうぐれ
何年なんねんかぶり 降ふり出だした雪ゆき

髪かみに落おちてとけた まつげが濡ぬれた
胸むねを冷ひやした
泣ないて泣ないて泣ないた かまわなかった
今いまあなたを 止とめられるなら

あやまらないで 声張こえはり上あげた
困こまった顔かおは 気きづかないふりした

人ひとが振ふり返かえった かまわなかった
息いきが苦くるしい
泣ないて泣ないて泣ないた 声こえを荒あらげた
今いまあなたを 止とめられるなら

髪かみに落おちてとけた まつげが濡ぬれた
プライドなんて知しらない
泣ないて泣ないて泣ないた 声荒こえあらげて叫さけんだ
でも何なにも 何なにも変かわらなかった

行いかないでと泣ないた かまわなかった
人ひとが振ふり返かえる
雪ゆきは降ふり続つづけた あなたがいた場所ばしょ
靴くつの跡あとが 目めの前まえで消きえていく