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北風きたかぜくにには りゅうがいたそうだ
まだ んだことつよりゅうだった

王様おうさまはかわいがり
すべささげた たみ

りゅうがいる それだけで
ながあいだ しあわつづいていたのさ
一度いちどでもおとずれたら
だれもが二度にどかえれぬほどに

北風きたかぜけ ついにった
でも 真上まうえがり ちてきただけで

ほのおしずんだしろ
くにらせが はし

だれひとり らなくて
真実しんじつかなしみのとなりにいた
とむらいの客達きゃくたち
花束抱はなたばかかつるぎかく

ながふゆ
とおはる

北風きたかぜおさまって
雪解ゆきどけの おとこえてきたなら
あの理想りそう このゆめさえ
百年経ひゃくねんたてば お伽話とぎばなし