元もとを辿たどれば僕ぼくの全部ぜんぶ
取とり返かえさなきゃ意味いみはなくて
千年経せんねんたってたってきっと
知しらないことは多過おおすぎるぜ

着きせ替かえごっこ楽たのしんで
気付きづけば色いろは何処どこだっけ
水溜みずたまりに映うつった姿すがたから
掛かけ離はなれた居場所いばしょを知しる

理解不能りかいふのうで愉快ゆかいなドラマ
傍はたから観みれりゃ笑わらえるけど
主演担しゅえんになった自分じぶんのドラマとなると
未いまだモノクロなの

電線でんせんからの景色けしきを観みて
僕ぼくは街まちの風吸かぜすい込こんだ
十数年間じゅうすうねんかん 街まちは僕ぼくの
不安ふあんや弱よわさを吸すい込こんでくれた

でも逃にげたくて
「飛とべるから。」と言いい張はって
有あり余あまる自由じゆうを手てに

これと云いって大切たいせつなモノなんて無ないから
孤独こどくだって事ことにすら気付きづけないのかな
「空そらを掻かいてもっと上手じょうずに泳およぎたい。」とか
取とり分わけ利口りこうじゃないから沈しずんだ声こえだけを枯からして鳴なく

今いま 世界せかいが終おわるのなら
「待まってました。」と言いえる時ときに
限かぎって終おわりは来こないってのも
もう十二分解じゅうにぶんわかってるから

でも確たしかに無限むげんじゃなくて
そう確たしかに終おわってみせる
見慣みなれた街並まちなみもいつか
飲のみ込こまれる前まえに僕ぼくも地ちに還かえる時とき

霞かすんでいく全部ぜんぶにこう言ゆうんだ
「消きえたって憶おぼえてる。何時いつだって。」

僕ぼくにとって 誰だれによって
大切たいせつなモノとは何なんだろうか
僕ぼくによって 誰だれにとって
大切たいせつなモノなど在あるだろうか
僕ぼくにだって 誰だれにだって
大切たいせつなのはさ理りに叶かなったモノばかりを求もとめる為ため?
それだけじゃないって事ことを

灯ともる街角まちかどのライト背せに今日きょうも鳴ないて居いるよ
振ふり翳かざす羽根はねを大おおきく黄色きいろいマントみたいに
それを持もってきっと上手じょうずに泳およぎたいから
逃にげ惑まどう理由りゆうもないのさ
貰もらった声こえだけを枯からしても鳴なく