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ぼくはなしいてくれる
あのひとかなしいひとだった
みかけのグラスにうそかぞえてらす
ぼくのすべてのあいは あのにおいてきた

日々ひびらしはれていた
うつろなひとみおとこさそ
つかのまのゆめからだふるわせた
かなしく羽根はねもない小鳥ことりのように

てることのない このなか
てることのない ひとながれのなか
あのひとは いつわりだけが
味方みかただと つぶやいた
あのおんなむねをつけるのは
マッチをするより 簡単かんたんさと
くわえ煙草たばこけむりのなか
一人ひとりおとこがそんなふうに うそぶいた

くるはずのない はる日射ひざしのような
くるはずのない しあわせのなか
あのひとねむるように
にたいといたんだ

もどれはしないこの人生じんせい
もどれはしないあの街角まちかど
おもだけが昨日きのうのように
ぼく名前なまえだけをんでいた
昨日きのうのように

んでいた (昨日きのうのように)
んでいた (昨日きのうのように)