最果さいはての戦場せんじょうに遠吠とおぼえが響ひびく
迫せまりくる地平線ちへいせん 蠢うごめく鋼はがねの音おと

振ふり向むけば滲にじむ空そら 血ちの雨あめに染そまる
こびりつく脳裏のうりには世界平和せかいへいわの賛歌さんか

一人ひとりタクト振ふる赤あかい涙なみだのマエストロ

押おし寄よせる数多あまたもの紅蓮ぐれんの怒号どごう
脳のうみそを駆かけ抜ぬける歓喜かんきの調しらべ
入いり交まじる曳光えいこうに身みを伏ふせたまま
朽くち果はてたバイオリン 狂気きょうきのフロイデ

踏ふみにじった夢ゆめの跡あと 舞まい上あがる火ひの粉こ
時ときの風吹かぜふき荒すさび全すべてを燃もやし尽つくす

繰くり返かえし牙きばをむく憎にくしみの丘おか
誰だれのため何なんのため嘲笑あざわらう月つき
在ありし日ひの旋律せんりつに遥はるかなる空そら
絶たえ間まない戦慄せんりつに運命うんめいを知しる

叫さけび続つづけ
絶望ぜつぼうの快楽かいらくにめり込こむ鉛なまり
誰だれもいない
朽くち果はてたバイオリン 狂気きょうきのフロイデ