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さよならはさよなら
わかっているけれど

きみはもういないのに
わらずこの部屋へやあさ
微睡まどろはるのせい
全部幻ぜんぶまぼろしならいいのに

二人ふたりいたCD 何度なんど映画えいが
一緒いっしょえらんだふく 全部ぜんぶいらなくなった
のこされたこの部屋へやのすべてが
あめよごれた はなびらのようにいた

さよならはさよなら
わかっているけれど
どうしてもどうしても
きみきだよ
ただきみそばにいれたら
それだけでよかったのに

きみたせてたね
いつもこの部屋へやにひとりきり
がらのこして
とおざかってゆくはねおと

毎年出会まいとしであったはるあるいてた川沿かわぞ
このさきずっとさくらきみるとおもってた
あんなにあったぼくたちの時間じかん
れたらこぼれる はなびらのようにった

おもおも
わるいのはぼくだけど
もうすこしだけきみ
ていたかった
あんなにしあわせだったぼくらの日々ひび
さらってくはるあらし

花見はなみをする人々ひとびとにぎわっていた並木道なみきみち
まるでまぼろしみたいにだれもが日常にちじょうもどってく
ったはな面影おもかげすようにみどり芽吹めぶいてく

ぼくはまだここにいるよ
ぼくはまだきみさがすよ
季節きせつうつわってく
ぼくだけをのこして

さよならはさよなら
わかっているけれど
ねえ ぼく一人ひとりにしないで
おもおも
えることはないけど
どうしてもどうしても
きみきだよ
きみへのおもいはつづける
わらないさくら

わらないさくら