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理想りそうくにはどこにある
づる場処ばしょそのてに
しずかにはるかに夢出ゆめいづる

みんなさがしている
なみだひとつちることないくに
うるおう大地だいち
そよぐはきんいね
極楽鳥ごくらくちょううたいて
香焚こうためた絹震きぬふるわせながら
梨花りんかかみかぜって
いちにちぎゆく
あしたもおな

ななつのうみけど
けしていつかない
げる蜃気楼しんきろう

すべてがかがやける黄金おうごん
みやこむはやさ人々ひとびと
だれもがしがった幸福こうふく
ぜんぶそのしま
まれていったから
きそうようにふね
われさきにと

みんならしたい
あらそいなどこることないくに
よりそう太陽たいよう
みのるはこがね
奔馬ほんばける山河巡さんがめぐ
わらじたちはあそ御伽おとぎのなかに
たにそこまで桃源郷とうげんきょう
永遠えいえんぎよう
真綿まわたのごとく

ひがしそら彼方かなた
それはまぼろしの楽園らくえん
ZIPANGU

原野げんやゆめ金色こんじき
さかえしみなと くは帆船はんせん
異国いこく息吹浴いぶきあび そのしま
あふれる野望やぼう
ってしまった
足早あしばやとき
色褪いろあせる

理想りそうくにはどこもない
かなしみのなみだがないと
よろこびのはなひらけない

すべてがかがやいた黄金おうごん
ねむみやこ瓦礫がれき
だれもがしがった幸福こうふく
ぜんぶそのした
もれたというから
地図ちずもなくふね
今日きょうもまた