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よみがな
かわいたよる たしたくて なぞるゆびしびれた
エナメルぐつ らしける 紫煙しえん路地ろじ 曖昧あいまい

つきうようにばす うではしなやかに
アスファルトのうみ おぼれたままで 夜明よあけをってる

ゆらり みずそこ きあって
偶然ぐうぜんの ように こいをした
またたきをゆる猶予ゆうよさえも ないようなまち

裏通うらどおりは セピアいろうわさがれ
あさねむかえして つないま息切いきぎ

少女しょうじょのまぼろし みつけられてつぶされ
琥珀こはく欠片かけらうつれた日々ひび びていく

あなたが えたら まどろみに
まれて ぼくぬのでしょう
がら景色けしき つめつづけて くらがりによど

つきもとめていても 此処ここにはちない
られるからだは 怠惰たいだのなかで ねむりつづけてく

ゆらり みずそこ もとめあい
よいわされて こいをした
硝子ガラスのドレスが 辛苦しんくらす 水槽すいそうまち

おぼれて しずんで ながされて
このまちだれもがねむれず
かわうみなか りにする 永遠えいえん刹那せつな