埃ほこりまみれのオルゴール
錆さびかけのゼンマイを巻まく
月つきの魔力まりょくに導みちびかれる
ひび割われた物語ものがたり

屋根裏部屋やねうらべやに眠ねむる絵本えほん
モノクロームの単色たんしょくの表紙ひょうし
奇跡きせきのページから飛とび出だす
さなぎの鼓動こどうは三拍子さんびょうし

交まじわらないポリリズム
異拍子達いびょうしたちの悪戯いたずら
それでもさなぎは殻破からやぶり
凛りんとした羽根はねを広ひろげ
窓まどをすり抜ぬけて
夜よるに溶とけた

願ねがいを模かたどる紋白もんしろはやがて宙ちゅうを舞まい
遥はるか彼方かなたの窓まどを目指めざし漂ただよう
幾億いくおくの流ながれ星ぼしが紋白もんしろの羽根はねを打うち抜ぬいて
光ひかりの粉落こなおとして息絶いきたえるのでしょう

12月じゅうにがつの冷つめたいコンクリート
ちぎれた羽根はねに積つもる雪ゆき
君きみの窓まどはすごく遠とおい
疲つかれ果はて止とまる鼓動こどう

諦あきらめの五線譜ごせんふ 切きり裂さいて 切きり裂さいて
もう一度夜越いちどよるこえて 辿たどり着つけ 辿たどり着つけ

願ねがいは何度なんどでも紋白もんしろに姿すがたを変かえ
遥はるかあなたの窓まどを目指めざし漂ただよう
信念しんねんの隣となりにだけ降ふり注そそぐ奇跡きせきの音おと
月つきの魔力まりょくを浴あびて蘇よみがえる鼓動こどう