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しろゆびから おちるゆき
さらさらさらり ながれてく
かれがれし 野辺のべみどり
うつくしゆめと つきなく

いつぞや こえころ
いたに あでやかにしろはな
すず音聞ねきこえる このよるは ぐいとこころ
爪立つめたてる

こころもとなし 唯一ただひと
風花かざはな きらきら とお
狐火きつねびこお冬景色ふゆげしき
うらつらみも すべてつつんで
ってみせよう 花吹雪はなふぶき

あか裾靡すそなび花弁かべんのやうに
ひらひらおどなにうつさぬ
海松色瞳みるいろひとみ ああそれでも
彼岸ひがんてを 夢見ゆめみ

さあさ こえうた
今宵こよいには 夜桜よざくら おともなく
むかしいまに なすよしもがな かなへられない
もういない

こころもとなし 唯一ただひと
やみから はらはら やみ
ちたそのさき ふかふかはる
おに修羅しゅらをも しほたるほど
ってせよう 花吹雪はなふぶき

ちょうえが
くるくると
中舞なかまって
ちり帰依きえ

りんそで
そのさき
つひにゆくみち
下弦月かげんづき

こころもとなし 唯一ただひと
風花かざはな きらきら とお
狐火きつねびこお冬景色ふゆげしき
うらつらみも すべてつつんで
ってみせよう 花吹雪はなふぶき

こころもとなし 唯一ただひと
やみから はらはら やみ
ちたそのさき ふかふかはる
おに修羅しゅらをも しほたるほど
ってせよう 花吹雪はなふぶき