文字サイズ
よみがな
真昼まひるつきへと
かびがった
しろひか月光蟲げっこうちゅう

「こころを一房噛ひとふさか千切ちぎって、とどけにゆくのだ。」
うのです。

グリグリメガネの郵便屋ゆうびんやは、
「おれがつたえる。」
こえをかけた、

けど、ひらり。

んでったそのあとには、
たぶはいのこるだけでした。

けむりが、また えた
大人おとなにならないんだなァ…。

ひびいたおもいが、よるでた。
言葉ことばになれないまま、
つちみてえるようなおもいが、おとてた。
おもせるように。

うたえ、おどれ。
いたりはしないぜ。
こえるだろう?
もどるつもりは…ないか。
うたえ、おどれ。
せたくらいじゃ
かくせないんだなァ…

やがて、おもいは、にじんだようだ。
よるけて、あかともったら

せめて、ほらひびけ、また今日きょうても
おもせるように。

そのえられるように。