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鈍色にびいろの足取あしどり 決意けついで進すすめる
背中せなかに風かぜを感かんじて 一度いちどだけ振ふり返かえる
宵闇よいやみの匂においは 不思議ふしぎと懐なつかしく
背中せなかを押おしてくれる そう そんな気きさえしたわ
押おし寄よせる 悲かなしみに 独ひとり震ふるえて 指ゆびでなぞる 遥はるか遠とおい約束やくそく
湧わき上あがる 憎にくしみの 脆もろく歪いびつな 刻ときの果はてに 闇やみを見みつめ接吻くちづけ
(嗚呼ああ 虚うつろな儘まま 移うつろう儘まま 歪いびつな 嗚呼ああ 罪つみを集あつめ接吻くちづけ)
今いま でも 忘わすれ られない……
(今いま 尚なお 憶おもいだせない……)
愛あいを偽いつわって生いきるくらいなら
真実しんじつと共ともに死しすことも厭いとわないわ
二人ふたりで見みつけた野のばらが
君きみを包つつむことを願ねがって墓標ぼひょうの周まわりに植うえたけど
結局けっきょく 遂ついの終ついまで咲さく事ことはなかったね……
月光げっこうに恋こいをした鳥籠とりかごの白しろい鳥とりは、
地ちに堕おちると知しりながら、最期さいごまで羽はばたくよ。
だからこそ宵闇よいやみに唄うたうのは、憾うらみの唄うたじゃないわ……。
焔ひかりを無なくした君きみを縛しばる 冷つめたい鎖くさりは
愛ひかりを亡なくした 君きみを想おもう二人ふたりの愛憎あいぞう
鳥とりは空そらへ 屍体したいは土つちへ 摂理かみを裏切うらぎり続つづけた
夜よるは明あけて 終おわりの朝あさへ 次つぎの別離わかれこそ永遠えいえん--
でも...
後悔こうかいなどしていないわ 嗚呼ああ これが 私わたしの人生じんせい
<<門閥貴族の令嬢フォンベッティン>> でも <<七選帝候の息女フォンザクセン>> でもないわ 私わたしは<<一人の女エリーザベート>>
唯ただ 君きみだけを愛あいした--
唯ただの【Elisabeth】
背中せなかに風かぜを感かんじて 一度いちどだけ振ふり返かえる
宵闇よいやみの匂においは 不思議ふしぎと懐なつかしく
背中せなかを押おしてくれる そう そんな気きさえしたわ
押おし寄よせる 悲かなしみに 独ひとり震ふるえて 指ゆびでなぞる 遥はるか遠とおい約束やくそく
湧わき上あがる 憎にくしみの 脆もろく歪いびつな 刻ときの果はてに 闇やみを見みつめ接吻くちづけ
(嗚呼ああ 虚うつろな儘まま 移うつろう儘まま 歪いびつな 嗚呼ああ 罪つみを集あつめ接吻くちづけ)
今いま でも 忘わすれ られない……
(今いま 尚なお 憶おもいだせない……)
愛あいを偽いつわって生いきるくらいなら
真実しんじつと共ともに死しすことも厭いとわないわ
二人ふたりで見みつけた野のばらが
君きみを包つつむことを願ねがって墓標ぼひょうの周まわりに植うえたけど
結局けっきょく 遂ついの終ついまで咲さく事ことはなかったね……
月光げっこうに恋こいをした鳥籠とりかごの白しろい鳥とりは、
地ちに堕おちると知しりながら、最期さいごまで羽はばたくよ。
だからこそ宵闇よいやみに唄うたうのは、憾うらみの唄うたじゃないわ……。
焔ひかりを無なくした君きみを縛しばる 冷つめたい鎖くさりは
愛ひかりを亡なくした 君きみを想おもう二人ふたりの愛憎あいぞう
鳥とりは空そらへ 屍体したいは土つちへ 摂理かみを裏切うらぎり続つづけた
夜よるは明あけて 終おわりの朝あさへ 次つぎの別離わかれこそ永遠えいえん--
でも...
後悔こうかいなどしていないわ 嗚呼ああ これが 私わたしの人生じんせい
<<門閥貴族の令嬢フォンベッティン>> でも <<七選帝候の息女フォンザクセン>> でもないわ 私わたしは<<一人の女エリーザベート>>
唯ただ 君きみだけを愛あいした--
唯ただの【Elisabeth】