交差点こうさてんでひとり あげかけた右手みぎてを
ポケットにしまって 風かぜと並ならんだ

季節きせつがいたずらに かき回まわす記憶きおくは
昨日きのうのことみたく また鮮あざやかに
こっちのことは おかまいなしで

君きみが呼よぶ声こえが、愛あいが、優やさしい目めが
今いまでも不意ふいに責せめる
感傷的かんしょうてきな僕ぼくをまた笑わらっているのかな
あの日最後ひさいごにくれた笑顔えがおが
春風はるかぜとやってきた

深呼吸しんこきゅうするように 歩あるいてた時間じかんは
きっと歩幅ほはばだって 違ちがってたハズで

いつも左側ひだりがわを 無意識むいしきにかばって
そんな習慣しゅうかんさえ ねえいつの間まに
日射ひざしの中なかに 溶とけていったんだ

君きみのいた日々ひびも、嘘うそも、切せつなさも
やわらかな温ぬくもりで
そこにあるともう少すこし信しんじてもいいだろう?
元気げんきでいてと風かぜの行方ゆくえに
目めを細ほそめ 願ねがってる

君きみが呼よぶ声こえが、愛あいが、優やさしい目めが
今いまでも不意ふいに責せめる
感傷的かんしょうてきな僕ぼくをまた笑わらっているのかな
あんな嘘うそも、切せつなさも、懐なつかしさに変かわって
いつかそれも忘わすれてく 僕ぼくたちでいいよね
あの日ひふたりの涙なみだに吹ふいた
春風はるかぜを見送みおくるよ