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とおい、とお
わらえないはなし
いつか、ぼくがいなくなったなら
ふかい、ふかもりちた
きみ一人ひとりくんだぜ。

つないだにはやわらかな体温たいおん
にぎったゆびが、ゆるり、ほどけたら
れた音色ねいろかね
きみ一人ひとりくんだぜ。

そのまま二人ふたり
あゆんで、一人ひとり
嘘付うそつこえも、もうえに
うつむき、二人ふたりかげひと
ぼく一人ひとりくんだぜ。

きみあわこいちた
たかたかがけはな
とどかないなあ。」
わかっているくせに。
今度こんど一人ひとりくんだぜ

とおい、とお
わらえないはなし
いつか、ぼくがいなくなったなら
ふかい、ふかもりちた
きみ一人ひとりくんだぜ。

それから一人ひとり
あるいて、一人ひとり
嘘付うそつくことも、もうつかれた
うつむき、一人ひとり黄金こがね部屋へや
きみ二人ふたりでいたんだぜ。

ぼくふかもりちた
くろくすすけてよごれた果実かじつ
それでわり
それだけのはなし
きみ一人ひとりくんだぜ。