なにもないところで
突然とつぜんつまずいて泣なき出だした
大丈夫だいじょうぶ それはきっと
悪わるい夕暮ゆうぐれのいたずらよ

早はやく帰かえらなきゃ
暗くらくなる前まえに

水平線すいへいせんの向むこうで
アクマがニコリと笑わらってた
「私わたしの黒くろいお腹なかに
君きみたちを入いれて遊あそぼうよ」

早はやく帰かえらなきゃ
食たべられる前まえに

砂浜すなはまに隠かくしてた
小ちいさな箱はこは
夜よるの闇やみ 包つつまれて
もう二度にどと見みつからない

夕焼ゆうやけを二人ふたりで
半分はんぶんずつ分わけ合あおう
私わたしは昼ひる
僕ぼくは夜よる
手てをつなげばオレンジの空そら

三度目さんどめの鐘かねの音ねは
アクマが目めを覚さます合図あいず
物欲ものほしそうな顔かおをして
ジロリとこちらを見みつめてる

私わたしのおやつは
あげないからね!

お腹なかが空すいたとアクマが
とても悲かなしそうな顔かおをした
「世界せかいを全すべて呑のみ込こんでも
私わたしのお腹なかはふくれないの」

かわいそうだから
おやつを分わけてあげる

「ありがとう王子様おうじさま
お礼れいにこの海うみの
小ちいさな秘密ひみつを
こっそり教おしえてあげましょう」

夕焼ゆうやけを二人ふたりで
半分はんぶんずつ分わけ合あおう
後あとで君きみにも教おしえてあげる
この海うみの素敵すてきな秘密ひみつ

夕焼ゆうやけを二人ふたりで
半分はんぶんずつ分わけ合あおう
私わたしは昼ひる
僕ぼくは夜よる
手てをつなげばオレンジの空そら