- 文字サイズ
- よみがな
始はじめる前まえにまずことわりが1ひとつ
今いまから話はなす物語ものがたりってやつは
現実げんじつじゃなく理ことわりを持もつ
ただの夢ゆめの話はなしの内うちの1ひとつってやつだ
年としの頃ころは10とうに足あしをかけた程ほどの
誰だれとでも笑わらい喋しゃべる少年しょうねんがいた
帰かえるべき家うちと眠ねむるべき場所ばしょはあった だが
おそらくは何なにも満みたされちゃいなかった
母親ははおやと呼よばれる人じょせいは彼かれを殴なぐり
悲かなしみを癒いやしまた布団ふとんに潜もぐり
父親ちちおやと呼よぶ人ひとには会あう事ことは無なかったが
何人なんにんもの男おとこが頭あたまを撫なでてくれた
ただそれだけで彼かれは幸しあわせで
空からっぽの家うちで1人夢ひとりゆめを描えがいた
沢山たくさんの友達ともだちと母親ははおやの笑顔えがおを
幼おさないなりに想おもい膨ふくらました
やがて彼かれも外そとへ出でる事ことは増ふえたが
街まちの奴やつはそんな彼かれを迎むかえ入いれてくれた
少すこしのお金かねには疑問ぎもんなんてなかった
それでも1人ひとりよりはましだったんだ
<來々>
I'm still...dreaming
this is a story of dream
But the story can be hapend in reality
What will it be tomorrow
I'm still...dreaming
There would be lives everyone dreams
But there might no happen
What will it be tomorrow
その後何年ごなんねんかが経たちあの少年しょうねんも
今いまじゃあこの街まちの顔役かおやくとは皮肉ひにくで
ありがちな話はなしだがただ毎日まいにちをドラッグで過すごす
あの笑顔えがおはもうぎこちなく
『友達ともだちがいなくなる』なんて間違まちがいを
テレビじゃあ繰くり返かえしうったえちゃいたが逆ぎゃくで
幼おさない頃ころの夢ゆめがこんな形かたちでも叶かなうとは..
悪わるか無ないもんさあながちな
仲間なかまって言葉ことばはそこで理解りかいした
街まちの奴やつは彼かれを恐おそれ敬うやまった
何なにより金かねが大事たいせつだってことを知しった
だが女おんなってのだけは苦手にがてだった
仲間なかまの中涙流なかなみだながし揺ゆれ喘あえぐ姿すがたが
ガキの記憶きおくと重かさなっては消きえる
弱よわさは暴力ぼうりょくでごまかす事ことが出来できた
その間あいだだけは救すくわれたんだ
<來々>
I'm still...dreaming
this is a story of dream
But the story can be hapend in reality
What will it be tomorrow
I'm still...dreaming
There would be lives everyone dreams
But there might no happen
What will it be tomorrow
そんな日々ひびを送おくり続つづけてきた彼かれだったが
今いまじゃただ生いきるだけの毎日まいにちを過すごす
母親ははおやはもう彼かれとは会あう事ことも無なく
街まちの奴やつは揃そろって彼かれを蔑さげすみ笑わらった
日銭ひぜにを稼かせぐだけに精一杯せいいっぱいの彼かれに
昔むかしの恐こわさなんかは一切見当いっさいみあたらず
1人ひとりで生いきてきた彼かれに救すくいの手ては無なく
だが彼かれは後悔こうかいも無なく笑わらいこう言いった
『俺おれはやりたいようにやってきたんだ』
『結果けっかがこれなら文句もんくは無ない』
『お前一人殺まえひとりころす位くらいの力ちからはある』
『だがそんなプライドなんか捨すてちまった』
『裏切うらぎりに怒いかり悲かなしむ事ことなんか無ない』
『生うまれた時ときお前まえは泣なき回まわりは笑わらってた』
『だが死しぬ時ときは逆ぎゃくに周まわりは悲かなしみ泣なく』
『そんな人生じんせいが送おくれれば幸しあわせだろうが』
『まぁいいさ』
『何処どこでのたれ死しのうがどうぞ笑わらってくれ』
...そこで俺おれは夢ゆめから目めが覚さめた