ぼくにも ゆずれないものが あるんだ

頼たよりないこの足取あしどりで 確たしかな なにかを残のこしてゆこう
そっとあなたには伝つたえたいから また ぼくは手てを伸のばしてみる

ぬくもり つなぐ手て

なんども 走はしって 転ころんで また走はしる
なんども くりかえす 立たちどまって すこし思おもう

あたらしい季節きせつをゆく
たそがれが そっと肩かたをたたくから

この小ちいさな息いきづかいも 遠とおい誰だれかにつながるように

懐なつかしい香かおりがした 忘わすれてたはずのことが 一瞬いっしゅんで

思おもい出だす 呼よび戻もどす 目めが覚さめて ハッとする
いまの気持きもち この気持きもち ゆずれないものを知しる

不安ふあんと不安ふあんのその隙間すきまに 何なによりかえ難がたい 愛いとおしいくらし

そっと あなたには 伝つたえたいから また ぼくは手てを伸のばしてみる

ぬくもりは 胸むねの奥おくで生いきてるから
おわらない ぼくはまだ歩あるいてるよ

刻きざむバイタルサイン