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ラララ 僕ぼくのご主人しゅじんは歌唄うたうたい
誇ほこらしげな顔かおして言葉ことばを吐はく
くだらないと人ひとは言いう ありふれた歌うた
まだ僕ぼくらが幸しあわせだった頃ころの話はなし
一日中机いちにちじゅうつくえと睨にらめっこして
頭あたまの中なかの音おとを描かき殴なぐる
楽たのしい事ことも悲かなしい事ことも嫌いやな事ことも
ごちゃ混まぜに五線紙ごせんしを塗ぬり潰つぶす
歌うたの中なかなら何処どこへでも行いけた
何なんにでもなれた
例たとえば月つきの裏側うらがわとか
夢ゆめの終おわりとか
メロディーを奏かなでていく
まだ見みぬ誰だれかの為ために
届とどかないと知しっていても
「さぁ 声こえを枯からして唄うたうのさ
寂さみしさも温ぬくもりも 皆忘みんなわすれて」
でも朝あさになったら元通もとどおり
ホラ 今日きょうもまた夜よが明あけていく
ラララ 僕ぼくのご主人しゅじんは歌唄うたうたい
少すこしづつ唄うたうのが減へってきて
たまに思おもい出だしたように僕ぼくを抱かかえ
満足まんぞくげな顔かおして言葉ことばを吐はく
もう唄うたう事ことがなんにも無ないと
泣ないていた夜よるも
あの娘こが褒ほめてくれたんだと
喜よろこんだ夜よるも
叶かなうならもう一度いちど
あの頃ころに戻もどって
くだらない歌うたを唄うたいたい
「ねぇ 声こえを枯からして唄うたう事こと
それさえも少すこしだけ 疲つかれてしまった」
ぎゅっと閉とじた瞼まぶた その奥おくで
堪こらえきれず 涙落なみだおちる
あなたが望のぞんだ事ことならば
諸手もろてを挙あげて祝いわいましょう
新あらたな門出かどでに乾杯かんぱいを
そこに僕ぼくが居いなくとも
ところがご主人しゅじん 何なにを思おもったか
いきなり立たち上あがり
「まだまだ大事だいじな事ことを唄うたっていない」と
僕ぼくを手てに取とって
ラララ 僕ぼくのご主人しゅじんは歌唄うたうたい
誇ほこらしげな顔かおしてケースを開あけた
「さぁ声こえを枯からして歌うたうのさ
寂さみしさも温ぬくもりも 皆忘みんなわすれて」
そして朝あさになったら新あたらしい
毎日まいにちがホラ 続つづいてゆく
誇ほこらしげな顔かおして言葉ことばを吐はく
くだらないと人ひとは言いう ありふれた歌うた
まだ僕ぼくらが幸しあわせだった頃ころの話はなし
一日中机いちにちじゅうつくえと睨にらめっこして
頭あたまの中なかの音おとを描かき殴なぐる
楽たのしい事ことも悲かなしい事ことも嫌いやな事ことも
ごちゃ混まぜに五線紙ごせんしを塗ぬり潰つぶす
歌うたの中なかなら何処どこへでも行いけた
何なんにでもなれた
例たとえば月つきの裏側うらがわとか
夢ゆめの終おわりとか
メロディーを奏かなでていく
まだ見みぬ誰だれかの為ために
届とどかないと知しっていても
「さぁ 声こえを枯からして唄うたうのさ
寂さみしさも温ぬくもりも 皆忘みんなわすれて」
でも朝あさになったら元通もとどおり
ホラ 今日きょうもまた夜よが明あけていく
ラララ 僕ぼくのご主人しゅじんは歌唄うたうたい
少すこしづつ唄うたうのが減へってきて
たまに思おもい出だしたように僕ぼくを抱かかえ
満足まんぞくげな顔かおして言葉ことばを吐はく
もう唄うたう事ことがなんにも無ないと
泣ないていた夜よるも
あの娘こが褒ほめてくれたんだと
喜よろこんだ夜よるも
叶かなうならもう一度いちど
あの頃ころに戻もどって
くだらない歌うたを唄うたいたい
「ねぇ 声こえを枯からして唄うたう事こと
それさえも少すこしだけ 疲つかれてしまった」
ぎゅっと閉とじた瞼まぶた その奥おくで
堪こらえきれず 涙落なみだおちる
あなたが望のぞんだ事ことならば
諸手もろてを挙あげて祝いわいましょう
新あらたな門出かどでに乾杯かんぱいを
そこに僕ぼくが居いなくとも
ところがご主人しゅじん 何なにを思おもったか
いきなり立たち上あがり
「まだまだ大事だいじな事ことを唄うたっていない」と
僕ぼくを手てに取とって
ラララ 僕ぼくのご主人しゅじんは歌唄うたうたい
誇ほこらしげな顔かおしてケースを開あけた
「さぁ声こえを枯からして歌うたうのさ
寂さみしさも温ぬくもりも 皆忘みんなわすれて」
そして朝あさになったら新あたらしい
毎日まいにちがホラ 続つづいてゆく