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春風薫はるかぜかおにしきそでに、桜吹雪さくらふぶきすさみち
指先触ゆびさきふれるはあでやかな一糸纏いっしまとわぬその姿すがた

嘘思ひがごとおぼさくらみつに、行方ゆくえらずもすさみち
指先触ゆびさきふれるはあでやかな、鬱悒いぶせうつつはなさま

そらあおさは何処どこか?いろづく花弁はなびらいろひとつ。
にお橙色付だいだいいろづいて

こわれしおもひは、散華さんげのやうに。」

はらり、ひらり。桜散さくらちころ
ちぎかしずく、なが浮世うきよは。

はらり、ひらり。桜舞さくらまころ
おもりゆく。ふわり、さよなら。

さくら、さくら。かなしき宿命さだめ
さくら、さくら。かぜさくらよ。

こわれしおもひは散華さんげのやうに。
りてもなお、ほこつづけるのであろう。

ららら、ららら。かなしきうたよ。
ぎし日々ひびへの追憶ついおくよ。

さくら、さくら。かなしきうたよ。
灯篭とうろうらされてゆく。

しあわせな日々ひびえてゆく、つめたいゆきうたよ。

くずちる仮面かめんなかに、悪夢あくむとおるはずのところが----------。

ゆらり、ひらり。桜舞さくらまる。
貴方散あなたちりゆくみちにさよなら。

ゆらり、ひらり。桜舞さくらまる。
最期さいごえたさくらしたで。

さくら、さくら。りゆくいのち
さくら、さくら。あかさくらよ----------。