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かなうたわん 甲冑かっちゅうした
鼓動こどうこいひとや
このかぶうそけがれを
りなす言葉ことば

ただうつくしい日々ひびだけを
かたりつづけ
ささげたいのです

青剣輝せいけんひかさき
あいだからそそがれるちからこそ
血潮ちしおめぐりながら
まれくるうた

こえをあげてひびかせん
この身体からだ くれないまろうと
黄金おうごん宮殿きゅうでん
あなたがいるかぎ

かぐわしい吐息といきはな
かぜってわが

すすたたかあいするため
わたしは月下げっか騎士きし
永遠とわ一夜ひとよにできるなら
幾千いくせん太陽たいようころ

いのうたわん かぶといで
たばねたかみほど
鬱金色うこんいろ土濡つちぬらす夜露よつゆ
今日きょうなみだわり

このくるおしいむねだけが
真実しんじつ
たたえているのです

古城映こじょううつみずうみ
羽撃はばたける白鳥はくちょうのど
ひろがる波紋はもんのように
うたはさざめく

きた西にしうま
この肉体眠からだねむ場処持ばしょもたずとも
ひづめおとそら
のぼってほし

ちるのは天上てん奈落ならく
目蓋まぶたじ あなたをおも

ゆめ流離さすらいばら征野せいや
わたしはトルバドゥール
つむがれてゆく記憶きおくさき
またひとりまれわっても

かなうたわん 甲冑かっちゅうした
鼓動こどうこいひとや
幾世いくせちるあく裏切うらぎ
りなす言葉ことば

いまうつくしいこの時代とき
いつまでもつたえてゆけるなら

すすたたかあいするため
わたしは薔薇ばら戦士せんし
りゆく最期ときはどうかあなたの
ゆびへとこののひとひらを

いのうたわん かぶといで
たばねたかみほど
鬱金色うこんいろ土濡つちぬらす夜露よつゆ
今日きょうなみだわり

このくるおしいむねだけが
真実しんじつ
たたえているのです