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うすちゃけた しゃしんたてに
なかよく ならんだ あのひの すがたを
ふと ひきだしのかぎを あけて
さがしだして ながめていた

ソファーにのぼって わらう
ちいさめの ぼくは まるい せかいから
きっと まどにうつった だれかを
わからずに またわらうだろう

そよかぜ すっと ながれて
よるのねむりにつく きぎを なでてく

くもにかかった つきのねが
とおく とおく ひびいて きえる

うかぶ ほしの かがやきは
すなにかいた えをみる
よぞらに はなしかける
あさが くるまで
きらきらり なかまと
みんなで うたってる

ことりたちの さえずりで
やっと いちにちが せのびを はじめる
さっと てばやく パンをいちまい
くわえながら ぼくははしる

こうして きょうも いつもと
かわらないような ふりして すぎてく

オレンジいろの そらのかげ
ゆらゆら ながく のびる

まちは ゆうぐれを まねて
やわらかく あたたかく
けしきを かざってゆく
しずむ ゆうひを
みおくって ゆっくりと
そらが めをとじる

めをとじたまま そらは ちへいせんを みていた
うごくもの とまるもの そのすべてを みていた

なみのしぶく すがたや もりのさわぐ ことばや
かぜのぬける かわきや ここにある よろこびを

つきあかり ちゅうを まって
きんいろの ひをてらす

すなに えがいた ちいさな もじ

いつか わらえるように
あめのひも はれのひも
やさしく おもえますように

うかぶ まちの かがやきは
だれかの ねがいごとを
だれかが かなえたもの
きょうも もうすぐ
よが あける あたらしい
まちの こえが きこえてくる

ひかりが さしこんでく そらは
いろを とりもどしてく

あさひを うけ くさきも
めを さましはじめてく
そうして うまれる
あしたの ひびを あるこう