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一人暮ひとりぐらしをはじめて もう何年経なんねんたっただろう
炊事洗濯すいじせんたくなんておのもの 自分じぶんうけど料理りょうりもうまい
水道光熱費すいどうこうねつひ家賃やちん はらったのこりの自由じゆう
それで今月こんげつなにをするか かんがえる時間じかん

ひさしぶりの友人ゆうじんから とどいた画像付がぞうつきのメールには
3650gさんぜんろっぴゃくごじゅうグラム元気げんきおとこまれました」
「おめでとうな」ってちながら すこ戸惑とまどってるぼくがいる
けのはなしではないけれど ひとしあわせに時々焦ときどきあせ

そとあめ でも予報よほうでは午後ごごかられるらしい
もしれたらすこしだけとおくまで散歩さんぽでもしよう

一人暮ひとりぐらしをしてたらダラしなくてもオッケー♪
大切たいせつ用事ようじ後回あとまわあそぶもるもサジカゲン
部屋へや片付かたづけしてたら 卒業そつぎょうアルバムがてきて
やすめしばしタイムスリップ つか間青春時代ませいしゅんじだい

なんでか実家じっか電話でんわをかけた 「元気げんきだよ、べつ用事ようじはないよ」
携帯代けいたいだいもバカにゃならないが こういうヒトトキがこころたも
どうやってもキツイときはあるし 一人ひとりだけじゃ出来できないこともある
けのはなしではないけれど ぼくだれかにたよってきてる

そとあめ でもすこしずつ雨脚あまあしよわまってるようだ
こころもさながら天気てんきのようだ うつろうよあめのち

風邪かぜいてしまったときは はなよりものどよりも滅入めい
寝込ねこんでるすきそと世界せかいから いてけぼりをらっているようで
「ミカンでもおくるか?」というはは受話器越じゅわきごしのこえなみだ
ひとりをつよかんじるときほど ひとあたたかさがむねみる
「おたが元気げんきでまたおうな」と きにのこされたメッセージ
あのころいだいてたあこがれを いま尚見なおみつめてあゆんでいる

このまちで こんなふうにしてもう何年経なんねんたっただろう
ひとりなようでひとりではない ぼく一人暮ひとりぐらし